ニャー吉
目次
はじめに(樹木葬とは?)
ニャー吉
お墓の形や考え方は多様化しているため、「新しい形のお墓」を購入したり検討したりする方が増えています。
新しい形のお墓というと、例えば、永代供養墓や納骨堂、樹木葬が挙げられます。その中で、今回は「樹木葬」についてご説明します。
お墓というと、寺院や公営墓地、民営墓地と契約して墓石を建てるイメージが一般的だと思います。私の両親も先日寺院と契約してお墓を建てました(家墓)。
樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標にしたお墓です。代々継承するお墓ではなく、一代限りの永代供養墓です。
この樹木葬にも、運営主体は寺院墓地、公営墓地、民営墓地の3種類があり、埋葬方法も個別に埋葬するタイプや他の人と一緒に埋葬する合祀(ごうし)、合葬するタイプ等があります。
樹木葬にはいくつかの種類から選択でき、また、墓石を購入する必要がない分費用が抑えられるので、年々需要が高まっています。
お墓がもともと無く新たに購入を検討する人や墓じまい後の次の供養の形を探している人にとって、樹木葬は選択肢の一つになります。
ただし、人気の高い樹木葬ですがいくつかの注意点(デメリット)もあるため購入前に慎重に検討することが必要です。
十分に検討してから購入するようにしましょう。
樹木葬の種類や費用の相場について
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樹木葬にかかる費用
樹木葬には、主に「永代使用料」と「管理費」がかかります。中には、年間の管理費がかからない樹木葬もあります。
墓石を購入する必要はないため、お墓を建てる場合と比較してコストは低く抑えることができます。
樹木葬の費用の相場は、一般的に10万円~120万円程度です。
費用に幅があるのは、樹木葬には運営主体ごとや立地・環境、埋葬方法等によって様々な種類やタイプがあるからです。
樹木葬の種類について
樹木葬の種類ですが、主に以下のタイプがあります。
【里山型】
参照:常陸国出雲大社
里山型は、自然をそのまま活かした樹木葬です。樹木葬の始まりは里山型です。里山型は、山や里にある樹木葬を指しますのでもともと郊外にあることが一般的です。
そのため、交通の便が悪い場所にあることがデメリットですが、自然志向がより強い方には向いているお墓です。
【公園・ガーデニング型】
公園・ガーデニング型は、公園のようにきれいに整備された樹木葬です。公園・ガーデニング型は、都市部中心に街中にも見られます。
公園・ガーデニング型は、一般的に都市部にあることが多いためアクセスは良く便利な場所にありますが、しっかりと整備されているため自然を最も重視している方にはやや不向きかもしれません。
埋葬方法による樹木葬の違い
個別埋葬型
一人一人に別々の区画が与えられ、ご遺骨を骨袋や専用の容器等に入れて埋葬する方法です。
カロート(お墓の中にあるご遺骨を納めるための場所)の中に入れる場合もありますが、基本的に、カロートはなくご遺骨は土に還ります。一般的に、3種類の埋葬方法の中で費用は高めです。
カロートについては、必ず契約する墓地にご確認下さい。
共同埋葬型
ご遺骨を一人一人別々の骨袋や専用の容器等に入れて、一つのカロートの中に他のご遺骨と一緒にして埋葬する方法です。
合葬・合祀(ごうし)型
他のご遺骨と一緒に一つのカロートの中に入れ埋葬する方法です。ご遺骨は他のご遺骨と混ざるため、後から取り出すことはできないため注意が必要です。必ず契約する墓地にご確認下さい。
一般的に、3種類の埋葬方法の中で費用は最も低いです。
運営主体別にみる樹木葬の種類と費用について
お墓を建てる場合と同じように、墓地の運営主体にも寺院墓地や公営墓地、民営墓地があります。
以下の表は、各運営主体の樹木葬の費用の比較表です。ご覧下さい。
寺院墓地 | 公営墓地 | 民営墓地 | |
管理者 | 寺 | 市区町村等の自治体 | 公益法人、宗教法人 |
費用の目安 | 20~120万円程度 | 10~70万円程度 | 20~100万円程度 |
樹木葬の良さ(メリット)
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継承が不要な永代供養墓
樹木葬は永代供養が一般的なので、例えば代々引き継ぐお墓を考えていない方や子供のいないご夫婦等は安心して購入できます。
購入費用は低く抑えられる
お墓を建てる場合と比べて、墓石の購入や工事代等がない分費用は低く抑えられます。
宗教は問われない
基本的に、樹木葬は宗教は問われません。
中には、寺院墓地の場合に宗旨・宗派が問われることもあるため、契約する前に念のためご確認下さい。また、檀家になるならないの問題もあります。
ただし、ほとんどの寺院墓地の樹木葬は檀家になる必要はありません。
自然葬のため環境にやさしい
墓石を建てず、自然のままか自然に近い形のお墓のため、自然が好きといった自然志向が強い人には特に向いています。
樹木葬は、環境にやさしいお墓ともいえます。
樹木葬の注意点(デメリット)
埋葬許可証が必要
樹木葬は自然のイメージが強いお墓ですが、一般的なお墓と同様に、埋葬するためには「埋葬許可証」が必要です。
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埋葬する場所は決められている
樹木葬は、樹木があるからといってどこでも好きな場所に埋葬できるわけではありません。
土の中に埋葬するため、墓地として許可を得た場所にしか埋葬できません。
一定期間経過後は合葬・合祀される
例えば、個別埋葬型を選択した場合であっても、一定期間経過後はほとんどの樹木葬は合葬・合祀されます。
契約前に、必ず墓地にご確認下さい。
中には、お寺等が永代にわたって個別の区画のまま供養し続けてくれるところもあります。
里山型はアクセスの悪い郊外にある場合がほとんど
公園・ガーデニング型は、比較的アクセスの良い場所にある場合もありますが、里山型の場合、ほとんどがアクセスの悪い郊外にあります。
交通の便が悪いとお墓参り等行きにくくなってしまうため、アクセスはお墓購入時には大切な検討事項の一つです。
親族や周囲の人に理解されない場合がある
樹木葬を最初に始めたのは、1999年岩手県一関市の寺院といわれています。
このように樹木葬の歴史は浅いため、親族等に分かってもらえない場合があります。
また、一般的な代々継承する墓石のあるお墓と異なり、ほとんどの場合、個人や家族のお墓ではないため実際にお墓参りしても遺骨が納められている場所がわかりにくいといったこともあります。
後々トラブルにならないように、契約前には家族と十分に話し合いましょう。
現在の景観が数年後維持できているかわからない
契約した当初はきれいな景観であっても、数年後や数十年後には樹木が枯れたり、周囲の自然や環境が荒れたりする可能性があります。
また、確率は低いかもしれませんが、台風等の自然災害が直撃した場合にはなくなってしまうことも考えられます。
まとめ
ニャー吉
樹木葬の良さは、墓地と契約してお墓を建てるよりも費用はかからないことや、自然を活かしたお墓なので環境に配慮されたお墓でやさしいイメージがあるところだと思います。
また、家墓のような継承するタイプのお墓であれば承継者を決めたり、引き継ぐ方も多くの手間やお金がかかります。
その点、樹木葬は一般的に永代供養墓の形のため、これらの問題はなくなります。
ただし、樹木葬には注意点やデメリットもあります。
注意点のいくつかは、契約前に必ず墓地に確認しておきましょう。
特に樹木葬のような新しい形のお墓を購入する場合は、契約して後悔しないように、また、トラブルにならないように、事前に家族とはしっかりと話し合いをして納得して決めていただきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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