お墓を生前に購入するとお得?相続税の節税対策になる?メリット・デメリットを解説。

アイキャッチ画像 お墓について心配する老夫婦

ニャー吉

生前にお墓を購入することは得か損か悩みますね。今回は、生前購入のメリット・デメリットなどについてご説明します。

はじめに

奈良の橘寺

先日、私の両親がお墓を購入しました。

正確にいうと、お寺と契約したので永代使用料を支払い、石材店で墓石を購入してお墓を建てたということです。お寺との契約のため、入檀料を支払ってそのお寺の檀家になりました。

お墓を買ってから初めて聞いたので、少し驚いたのと「ついに買ってしまったか」という感想でした。このお墓は代々継承することが前提のお墓(家墓)です。

今後毎年、護持会費や寄付、管理費などの支払いが発生します。

お墓を購入することは、家族全員の重要な問題でもあるため、契約前に話し合って考えを一致させておくことが大切です。

ただ、この時両親は、「亡くなった後入るところができて安心した」とホッとした顔をしていました。

私の両親のようにもともとお墓がない方の場合、生前にお墓を購入するかどうするか迷ってしまう場合が多いと思います。

今回は、生前にお墓を建てるメリットやデメリットを中心にご説明します。

 

お墓を購入すると相続税の節税対策になるの?

表情のあるお墓のイラスト

ニャー吉

よく、お墓を生前に購入すると相続税の節税対策になるって聞きますよね。実際はどうでしょうか?

結論は、一般的にお墓を購入すると相続税の節税対策になるという考え方は正しいです。自分のお金(現金)で支払った場合に、相続税を減らすことができます。

墓地や墓石、仏壇などの祭祀(さいし)を司る祭祀財産は、継承しても非課税財産のため相続税はかかりません。また、墓の購入のために支払った現預金はその分遺産総額からマイナスすることができるため、その結果相続税の節税につながります。

ここで、お墓の購入が相続税の節税対策になるかどうかの話で確認が必要なのは、「課税遺産総額」についてです。

相続税は、遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600×法定相続人の数)の範囲内であればそもそもかからないからです。

私の両親の家は、地方の小さな一戸建ての住宅で庭も狭いです。もともとはサラリーマンで現在は年金暮らしです。二人でギリギリ生活できている状況です。

私には兄が一人います。したがって、もし父に万が一のことがあった場合、法定相続人は3人なので基礎控除額は4,800万円になります。

 

ニャー吉

次の表は基礎控除額のイメージです。

〈相続税の基礎控除額の目安〉

法定相続人の数 基礎控除額
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円
5人 6,000万円

 

私の父の場合、遺産総額はこの基礎控除額(4,800万円)以下のため相続税は一切かかりません。

このように、一般的に私の両親のように地方に住む普通の家庭では相続税がかからない場合がほとんどで、お墓を購入しても必ずしも相続税を減らすことができて得だというわけではありません。

お墓の購入によって相続税が節税できる場合とは、都心に住む人や一部の資産がたくさんある人たちなどです。

相続税の対策ができると思ってお墓を購入する場合は、遺産総額についてしっかりと確認しておきましょう。

相続税がかからない場合とは?

課税遺産総額=相続財産の合計額ー基礎控除額

 

この「課税遺産総額」がマイナスまたはゼロなら相続税はかかりません。

「生前にお墓を購入すると相続税の節税対策になる」ということは正しい考え方ですが、この考え方はそれぞれの家庭の遺産総額の状況によるということですね。

 

生前にお墓を建てるメリット

お寺のイラスト

ニャー吉

生前にお墓を建てるメリットは、以下のとおりです。

安心を買える

両親と話をした時に、今回のお墓の生前購入で一番印象に残ったのは「安心を買える」ということです。

どちらかというと、父よりも母の方がより安心していました。母は、何度も「亡くなった後に入れるところができて安心した」と言っていたからです。

自分の好きなタイプのお墓が建てられる

生前にお墓を購入するメリットに、「自分の好きなタイプの墓石を選べる」ことも挙げられます。

私の両親も自分達の目で確認して墓石を選ぶことができました。

私の両親の場合は、寺院墓地のためお墓のデザインの自由度は制限されています。でも、制限された中でもある程度好みの墓石を選ぶことはできます。

自分の個性を出したい方は、民営墓地と契約することも一つです。

※公営墓地の場合、生前にお墓を建てることはほぼできません。

家族の負担を減らすことができる

私の両親の場合、自分達のお墓を建てることを計画してから完成するまでに1年以上かかったようです。

両親はじっくりと検討してお墓を建てましたが、万が一のことがあった後に残された家族がお墓を考えることは、悲しみの中でかなりの労力が必要です。

墓地の場所はどの辺りが良いか、寺院墓地にするか、民営墓地が良いか、公営墓地の募集はあるかなどを確認する必要があります。

また、お墓の種類は、家族に継承するタイプか継承しないタイプにするか、お墓を建てるタイプ(家墓や個人墓など)か建てないタイプ(永代供養墓や納骨堂など)にするかなどの検討も必要です。

ある程度希望の条件のお墓が見つかったら、具体的に見学に行くことも大切です。

最終的に、お墓を建てるためには工事が必要になるため、墓地や霊園と契約後、完成まで2ヶ月~3ヶ月程度はかかります。

失敗しないお墓の建て方、探し方については、このサイト内でご説明しています。こちら👇をご覧下さい。

アイキャッチ画像 お墓と桜正しいお墓の建て方、探し方。お墓の種類や墓地・霊園の特徴、寺院・公営・民営の長所と短所。

 

お墓を決めることは、精神的にも肉体的にも大変なことです。

このように、万が一のことがあってからお墓を建てることは家族にとって負担になりますが、生前に購入しておけばこの負担をなくすことができます。

 

生前にお墓を建てるデメリット

墓地・霊園のイラスト

ニャー吉

生前にお墓を建てる場合には、デメリットもあります。

生前から管理費などのお金がかかる

お金の話をします。

両親のお墓の費用は、永代使用料と墓石の購入費用が合計約180万円で、毎年の管理費などの合計は年間3万円程度です。

お寺(寺院墓地)と契約し檀家になったため、入檀料を20万円程度支払っています。すでに寄付やお布施も払いました。

このように、お墓を建てると高額なお金を支払うことになります。

生前にお墓を建てると、管理費などの費用の支払いが毎年発生します。両親は幸いまだまだ元気なので健康面ではありがたいことですが、その分お寺への支払いは定期的に出ます。

寺院墓地は、管理費の他にも寄付などがかかってきます。

将来必要な生活資金を取り崩して購入しているため、両親の今後の生活を考えると少し不安が残ります。

家族間で話し合いができていないと後からトラブルになることがある

両親がお墓を建てたことは、兄や私も知りませんでした。

両親が購入したお墓は家墓です。兄弟の間で誰が今後承継するかの結論は出ていません。私たちの場合、トラブルというほどではありませんが、少しだけ問題になりました。

兄も私も遠方に住んでいるため、どちらが継ぐか難しいところです。

でも、お金よりも両親の気持ちが大切なので、これはこれで良いと考えています。

建てるお墓によっては、家族全員に関係してくる重要な問題になります。

やはり、お墓の購入を考えたら、まずは家族間で話し合うことが大切です。

(そうは言っても、まだ生きているうちからお墓について家族間で話し合うことはハードルが高いですよね。)

 

まとめ

ニャー吉

生前にお墓を建てる場合は、購入してから後悔しないように、じっくりと検討して下さいね。

生前にお墓を建てると、メリットもありますが逆にデメリットもあります。

生前にお墓を建てることを考えた時に、検討した結果メリットの方が明らかに大きく、デメリットはそれほど問題にならないなら生前購入を検討しても良いと思います。

後悔しないように、家族間で話し合い、お墓の情報はしっかりと収集していただいたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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